どんな生き物にとっても、生きていくうえで必ず欠かせないものといえば「呼吸」です。
私達は哺乳類が肺呼吸、魚がえら呼吸、など基本的な知識は身についているものの、トカゲの呼吸法についてはなかなか知識を得る機会がないのではないでしょうか。
今回の記事ではトカゲの呼吸法についての特徴や他の動物との違いについての解説をしていきます。
トカゲと他の動物の呼吸法とは
トカゲの呼吸法についてよく間違えられがちなのが、両生類と同じ呼吸法をしているのではないかということです。
実はイモリやカエルなどの両生類は、生まれたばかりのころはえら呼吸ですのでその点ではトカゲと異なる呼吸法となっています。
トカゲは生まれた時から死ぬまでずっと肺呼吸ですので、哺乳類や鳥類と近い呼吸法となります。
また、両生類の呼吸法は皮膚呼吸に頼っている部分もあるのですがトカゲの場合は皮膚呼吸はほとんど必要ありません。
それは両生類と比べてトカゲの肺が大幅に発達しているためです。
水中でも呼吸できるトカゲがいる?
コスタリカに生息しているアノールトカゲは、まるで魚のように水中でも呼吸が出来るトカゲです。
アノールトカゲが水中で呼吸をしている様子は、ニューヨーク州立大学のリンゼイ・スワーク氏により研究されており、そのメカニズムはまだ完全には解明されていません。
ただ観察の結果では、アノールトカゲの頭部の周りに薄い膜のようなものができ、その膜の間に空気を貯めこんで、呼吸をしているのではないかという説が唱えられています。
ちなみに最長で16分間、水中で呼吸をしている様子がカメラで撮影できたそうです。
このように肺呼吸であるトカゲでも、独自の進化を遂げて水中での呼吸を可能にしてしまった珍しい種類もいるということが分かりました。
この水中で呼吸をするという特性は、陸上にいる天敵から身を隠すために身についたものだと予想されているそうです。
まとめ
○トカゲは生まれた時から肺呼吸で、両生類は生まれた時はえら呼吸という違いがある
○トカゲは肺が発達しているため、皮膚呼吸をほとんど必要としていない
○アノールトカゲは独自の進化をとげて、水中での呼吸が可能になった種類である
今回はトカゲの呼吸法についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
水中で呼吸が出来るアノールトカゲのように、今後新しい呼吸法を身に着けたトカゲが明らかになってくるかもしれません。