私達人間の医療技術というのは、他の種類の動物を使った実験や生態の研究などにより発展を遂げて来ました。
もしもトカゲの再生能力が人間の医療に活用できたとしたら、手や足を事故で失った人にも希望が見えてくるのではないでしょうか。
今回の記事では、トカゲの再生能力が人間の医療に活用できる日がくるのか、現段階で明らかになっている事実などを簡単にまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。
人間にも再生能力は備わっている?
私達が普段意識することはないと思いますが、人間にもしっかりと再生能力は備わっています。
例えば髪の毛は毎日抜けて新しい髪の毛が生え変わっていますし、皮膚などの切り傷も時間が経てばきちんと再生します。
実は髪の毛や皮膚などが再生するのは、組織幹細胞という細胞の働きによるもので、他にも肝臓や爪なども組織幹細胞により再生することが可能です。
再生することで有名なトカゲの尻尾もこの幹細胞による働きかけがポイントとなっています。
人間の手や足が欠損しても再生しないのは、この幹細胞が無いからです。
トカゲの幹細胞を人間の手足にも活用することが出来れば再生の可能性も見えてくるのかもしれませんが、残念ながら現段階では実現に至っていません。
トカゲとイモリの再生能力
トカゲの再生能力と並び、よく比較されやすいのがイモリの再生能力です。
実はイモリの再生能力はトカゲとものとは比べ物にならないくらい秀でています。
トカゲは尻尾以外は再生することが出来ませんが、イモリの場合は手や足が切断されても時間さえ経てば新しいものが生えてきますし、目玉がなくなっても新しい目玉がつくられることも明らかになっています。
このイモリの再生能力はマクロファージ細胞によるものであり、トカゲの再生能力とはまた違った構造となっています。
なので人間の医療技術に活用されるとしたら、トカゲよりもイモリの再生能力の方が向いているのかもしれません。
ただしイモリでさえも手足の再生には何十年もかかったりするケースが多いため、人間に活用できても手足の再生に100年以上かかるという予想がされています。
まだまだこの研究には課題が山積みであるということが現状です。
まとめ
○人間にも組織幹細胞による再生能力が備わっている
○トカゲよりもイモリの再生能力の方が秀でている
○現時点ではトカゲやイモリの再生能力は人間の医療には活用できていない
今回説明した通り、現段階では人間の手足の再生についてはまだまだ研究が進んでいない状態のようです。
しかし今後の発見次第では失った手足を取り戻せる時代が来る可能性も無いとは考えられません。
そしてその技術に貢献するのはトカゲやイモリなど、人間とは全く関係のない動物なのかもしれません。