トカゲの尻尾の自切の仕組みやその方法とは?

みなさんはトカゲの尻尾は自切できる、つまり自分の意志で切断できるということを知っていましたか?

トカゲが自切をするのは外敵に襲われたときにおとりとして尻尾を使うためですが、その自切の仕組みや方法は複雑なメカニズムとなっています。

今回はそんなトカゲの尻尾の自切について、どのような仕組みや方法で切断されるのかということについて解説していきます。

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自切の仕組みについて

トカゲが尻尾を自切する仕組みとしては、尻尾の付け根にある自切面と呼ばれる部分から尻尾を骨ごと切り離しているということが分かっています。

尻尾を切断した後、トカゲはその断面の筋肉を収縮させることによって止血する方法をとっています。

そこから切断面から幹細胞が変化して徐々に皮膚を形作り、軟骨が形成されることで、新しい尻尾が再生されます。

トカゲが自切したあとに出来る尻尾は「再生尾」と呼ばれ、もともと持っていた尻尾よりも細く色も黒ずんだものになります。

同じように尻尾が再生する生き物としては「イモリ」などもいますが、イモリは両生類なのでトカゲとは自己再生の仕組みや方法についても全く異なります。

イモリは尻尾だけでなく手足や内臓なども再生するので、トカゲよりも一歩先を行った再生能力を持っているようです。

三本の尻尾を持つトカゲ?

実は世界中でもなかなか見られないケースですが、トカゲの尻尾の自切の仕組みが上手く働かないと、中途半端に元の尻尾が残ったまま、次の尻尾が形成されるというケースがあります。

生物学者であるヤブロンスキー氏が、2015年に欧州でアオノドキールカナヘビを見つけた時、なんとそのカナヘビは実際に3本もの尻尾を持っていたのです。

ちなみに3本とも短さが違い、いびつな形をしていたため、自切から再生に至るプロセスが上手く働かなくなった結果だと言われています。

またこれと同じ理由で尻尾が2本になってしまったトカゲはいくつか報告例があり、そこまで珍しいことではなかったのですが、3本の尻尾を持つトカゲは世界でも数件しか見られないかなり貴重なケースだったようです。

身を守るための方法として使われるはずの尻尾の自切が、まさか尻尾の数を増やすことになるとは思いもしませんよね。

まとめ

○トカゲは尻尾の付け根にある自切面という部分から尻尾を切り離す
○トカゲは尻尾を自切したあと、筋肉を収縮させることにより止血することが出来る
○自切と再生が上手くいかなくなった結果、尻尾が2本になったり、極まれに3本になったりする場合もある

今回はトカゲの尻尾の自切の仕組みや方法についての解説をしました。

尻尾を切断しておとりに使うだけでなく、止血や再生など一連の流れが遺伝子にしっかりと刻まれるというのが生命の神秘性を感じます。

進化が進むにつれて、尻尾が何度も再生するトカゲも今後は出てくるかもしれないですね。

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