トカゲは外敵に襲われると尻尾を自切し、逃げ延びることで知られています。
この尻尾の自切に関しては小学校の理科の授業で習ったり、小さい頃読んだ図鑑で知識を身に着けた方も多いのではないでしょうか。
ただし尻尾の自切については、トカゲが尻尾を自分で切断し、それをおとりにするという事実以外はほとんど知られていません。
ということで今回の記事では尻尾の自切は何回まで出来るのか、切られた尻尾はなぜ動くのか、という点について詳しく解説していきたいと思います。
トカゲの尻尾は何回まで自切が可能なのか
トカゲの尻尾は自切をしたあと、何回でも再生することが出来ます。
ただし自切してから再生する尻尾は軟骨が1本繋がっているだけの見せかけの尻尾であり、形が不格好だったり色がおかしかったりします。
野生のトカゲを観察していると、明らかに胴体と尻尾の色がおかしかったり、尻尾が細すぎたりする個体を確認することができますが、これらの個体は尻尾の自切を行ったことによりそうなってしまったのです。
また尻尾の自切というのはトカゲ自身の体力も奪います。
何回でも自切が可能とはいえ、あまりにもやりすぎるとトカゲが衰弱死してしまう可能性が高くなってしまうのです。
またトカゲは尻尾に栄養分を蓄える個体もいるため、尻尾を自切することによって大量の栄養を失ってしまうトカゲもいます。
切断されたトカゲの尻尾はなぜ動くのか
切断されたトカゲの尻尾がなぜ動くのか、それは尻尾内にある神経や細胞がまだ残っているわずかなエネルギーを利用して動かしているからです。
もちろんすでに切断されている尻尾ですから、長時間動くことはありえません。
しかし短時間でも激しい動きをすることによって、捕食者の目を尻尾に引き付けることができ、その間にトカゲ本体は別の場所に逃げることが可能というわけです。
例えばクモやゲジゲジなどの節足動物も敵に襲われたときに自分の足を切断することで知られています。
そう考えると、自らの体を切り離しそれを囮に使うということは小動物の中ではなかなか合理的な進化なのかもしれません。
まとめ
○トカゲの尻尾は何回でも自切が可能だが、同時に体力を大幅に消耗する
○トカゲの尻尾がなぜ動くのかというと、尻尾内に残っている細胞や神経が残ったエネルギーを利用しているから
○昆虫や他の爬虫類なども体の一部を切断し、それを囮につかう生物が存在する
今回の記事ではトカゲの尻尾は何回まで自切できるのか、切断した尻尾はなぜ動くのかという点について解説をしました。
外敵から逃げるために体の一部分を切断して逃げるという習性は少しグロテスクな感じもしますが、厳しい自然環境を生き抜くための大切な術だということが分かったと思います。
尻尾の自切はトカゲの体力を多く奪ってしまうので、野生のトカゲを見かけても触らないようにそっとしておいてあげましょう。